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日本共産党県議団の県議会定数問題の県会の発表をしました。

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県民のみなさま・関係者各位

三重県議会の定数と論戦について日本共産党県議団の見解

                       2017年12月25日
                          県議会議員  岡野恵美
                          県議会議員  山本里香

 三重県議会の議員定数について検討してきた選挙区調査特別委員会が、現行条例に対する改正案を委員会としてまとめることができずに終結したことについて、あらためて日本共産党県議団の見解を、県民の皆さんをはじめ、県議会議員各位に文書で表明したいと思います

 最近、国会議員をはじめ、地方議員も含めて「選良」というにはあまりにも恥ずべき不道徳、不正の言動がごく一部とはいえ大きく報道されつづけています。そのため、多くの有権者から「選挙に行く気にもならない」などと、投票率が低下する傾向に歯止めがかかりません。
 経済格差が広がり行政サービスが縮小し国民の生活が苦しくなり、国財政・自治体財政が逼迫している中で議員が高額所得であるという認識から「議員の数は少なければ少ないほどよい」という風潮が多数を占めている現状にあります。
 国民や住民の代表たる国会議員や地方議員の数は、多ければ多い方が良いとは言いませんが、直接民主政治をとらず住民代表を選ぶ間接民主政治である以上、できる限り多様な意見が反映できる人数が必要だ。あらゆる分野から代表が出て、その実態を明らかにして政治や行政に生かしていくことこそ重要です。
 また選挙区については、「一票の格差」をできるだけ小さくして公平にすることが必要だと考えます。県議会の定数は「郡市単位」となっていますが、そこにこだわり続けることがよいのかも問題です。
 この間「平成の大合併」と、国が予算などの「優遇策」をもって威圧的に市町村合併が進められ、三重県でも69市町村から今や29市町と半分以下の数となり、地方議員の数も2003年(平成15年)11月30日の1122人から2014年(平成26年)4月1日の536人へと、半分以下の48%になってしまいました。
 私たち日本共産党県議団は、住民の代表である議員の数が半減していることは、これまでの住民の切実な声や暮らしの要求などが見逃され、政治や行政に届けられることまで半減しているのではないかと、大変心配しています。
 
三重県議会においては、2003年(平成15年)の県議会議員選挙から、それまでの議員定数55人から51人へと、4人削減されました。四日市市、津市、松阪市・飯南郡、鈴鹿市の4選挙区について各1名、計4人減となりました。
 この4つの選挙区は、これまで日本共産党の議員が議席を持っていた四日市市、津市、松阪市・飯南郡選挙区の3選挙区と、あと一歩にせまった鈴鹿市選挙区で、定数の多い4人以上の選挙区から1つづつ減らされたことになりました。
 私たちは、当時県議会唯一の県知事野党である日本共産党に議席を与えないようにするという「反共シフト」がしかれた定数削減であると指摘し、定数削減に反対しました。その結果、一票の格差が広がる極めて不公平な選挙区になってしまいました。
 この定数と選挙区割で行われた2003年4月の県議選で、それまで四日市市選挙区で6期当選していた萩原良吉県議が13140票を獲得しましたが落選、一方、北牟婁郡選挙区では7784票で当選するというきわめて不公正なこととなりました。当時の新聞は「13000票で落選・7000票で当選も」と大見出しで報道、同時に津市選挙区の真弓俊郎県議も落選したため、日本共産党の議席は16年ぶりに0になってしまいました。

 その後、議論が重ねられ、2013年(平成25年)5月16日の本会議で、有権者数の少ない地域で2人区から1人区へ、また合区を編成して、定数を6人削減し45人とする条例が賛成多数で通りました。ただし、平成26年4月に行われる県議選はそのままに、平成27年5月1日以降の一般選挙から適用するというものでありました。
また、その時に「議会基本条例第6条の2の規定に基づき、今後の国政調査の結果等、これからの人口動態や社会経済情勢等の状況も考慮し、改選された議員のもとでも引き続いて、1票の格差の是正、総定数、選挙区のあり方等の検証等を行っていく必要があること、また、県議会議員は各選挙区から選出されるが、それぞれの選挙区が抱える様々な課題に対しては、当該選挙区選出議員はもちろんのこと、全て自覚と責任を持って対応していくこと」の二つの事項が特別委員会の付帯事項として決定されました。
 日本共産党はこの時、議席を0にしていましたので、この議論には加わっていませんでした。

 この付帯決議を受けて、昨年から取り組まれた選挙区調査特別委員会においての混迷ぶりは県民に大きく批判を浴びる中進められましたが、2度にわたり委員長案が出されながら委員会採決するになじまないということで委員会としての改正案を作ることができなかったことについて、議会にあるものとして痛恨の念に堪えません。
 調査を進めるほどに、前回の定数改正(51→45)が、いかに厳しい中で論議されたかと共に、付帯決議を付けなければならなかったこの時の無理な決定が、今日の選挙区調査特別委員会の混迷ともいうべき状況をつくりだしたと思っています。
 さらに、前々回(55→51)の改正の時にまで問題は遡ると思っています。
 議決責任・説明責任・一票の格差をどのくらいまで許容できるか、地域の特性をどのように考慮するか、合区と1人区など、個別に考えれば其々が相反することとなります。重点をどこに置くかということで、平行線の論議となりました。
 現行条例(45)において、付帯決議を付けなくては決着できなかったということがすでに問題であったということです。また、51に減らした時の、削減ありきという為の論議で大きくなった「1票の格差」を解消のため、また更に、減らすことで解決しようとしたことによります。

ここで、日本共産党県議団は、この事態を招いたことは自分たちが在籍していなかった時のことが発端だとはいえ、一員として猛省し、真の議会改革と信頼回復のために尽くします。
あらためて、次の提案をもって県民のみなさんや議員各位への意見表明といたします。
ご理解、ご賛同をいただきたいと思います。

1、  議員の定数を議員自らが決定することは大きな問題と困難があります。自らの当落に直接かかわる問題だけに、公平公正な第三者機関を速やかに立ち上げるべきです。 
 議会基本条例に、定数を見直す時には第3者機関に諮問すると記述すべきです。

2、  議員削減は県民切り捨てです。定数削減ありきでなく、生活実態に見合った地区割り、過疎地域から数を積み上げること、一票の格差など考えるべきです。

3、  財源の問題とセットでの論ずることは不適当ですが、定数がどうであれ報酬や政務活動費などの議会経費についても議員のなかで検討すべきです。
   例えば、議会費での海外調査については、県民の理解を得らえません。

4、  二元代表制の立場から、知事と真剣に対決する姿を県民の前で示すような議会にしましょう。県民の身近で関心のある論点で議会の論戦をもっと豊かにしていきましょう。予算や議案そのものが県民にとってどういう利益、不利益があるのかなど、反対する意見と賛成意見が真剣に対決するような論議を展開し、議会論戦が県民にとって身近なものになるような議会にしていきましょう。

以 上

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