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三重県議会の2018年度一般会計予算などに反対

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予算関係議案にたいする反対討論 2018年3月22日(10分)
 日本共産党津市選出の岡野恵美です。
 私は、日本共産党を代表して、予算関係の10本の議案に反対の討論を行います。
 安倍内閣の来年度予算は、憲法を変える動きに呼応して軍事費を大幅に増やす一方、大企業や富裕層優先で国民には冷たい「アベノミクス」をすすめ、社会保障の自然増さえ減らしながら大企業への減税は引き続き行うなど「格差と貧困」をいっそう拡大する予算となっています。特に生活保護費の削減は、自治体の保育料や就学援助、最低賃金などにも連動するもので、その及ぼす影響は決して少なくありません。
 三重県の2018年度予算は、このような国の悪政から県民の命と暮らしを守るものでなければなりません。
 私達は知事に昨年末、県民の安全と福祉の向上につながるよう来年度予算要望をおこない、提案された予算案について、県民への負担増の有無や公平性、県民にがまんを強いるものであってはならないとの観点でみてみました。
 その結果、提出された予算議案のうち、議案第9号平成30年度三重県一般会計予算、議案第10号、議案第12号、議案第22号、議案第23号、議案第24号、議案第38号、議案第57号、議案第70号、及び議案第81号について反対いたします。以下にその理由を申し上げます。
 
 議案第9号一般会計予算について。
 まず歳入について。大企業の業績は上向いてきているといわれていますが、三重県の来年度予算の法人2税の収入見込みは、今年度に比べておちこんでいます。2017年3月の有価証券報告書では県内大企業の内部留保は本田技研工業7兆9861億円、パナソニック2兆5116億円、凸版印刷8304億円、ヤマダ電機6402億円、ジェイテクト5250億円としっかりためこんでいることがわかります。三重県は、最低賃金を引き上げ、すべての労働者の賃上げと安定した雇用の確保にもっと積極的に踏み出すべきです。さらに、法人県民税の超過課税は、限度額いっぱいの1%までとることを重ねて提案いたします。
 さて、三重県の財政は予算編成に際し、3年連続財源不足になりました。そのため来年度予算では県債管理基金への積み立てを見送り、企業庁からの借入金の返済期間の変更など、「禁じ手」でしのごうとしています。禁じ手はたびたび使えません。
 ここで大切なのは、なぜ財政が厳しくなったかを根本から問い直してみることです。三重県財政を圧迫しているのは、過去の起債に起因する公債費によって歳出が圧迫されていることにあります。
 三重県の県債残高の推移と全国の動向を比べてみると、全国では2002年に建設地方債がピークになりその後低下していきますが、三重県は全国より
10年遅れて2012年に建設地方債のピークがありその後も減っていません。
 過去のRDF、長良川河口堰、廃棄物処理センターなどの失敗や、7割を占める建設土木債が財政を圧迫していますが、今なお東海環状自動車道や新名神高速道路、またそれと結ぶ高規格道路建設がすすめられ、来年度予算でも国直轄事業によるこの道路整備負担金は約109億円と、大きいものです。日本共産党はこのような大型の公共事業は極力抑制すべきと考えます。
 今年度予算では国策となった、リニア中央新幹線関係費に昨年度より多い900万円が盛り込まれています。リニアについては、談合事件が発覚し逮捕者が出るなど、新たな問題も起きています。私達は、三重県がリニア建設を促進していくことは、今後に大きな、財政負担や環境問題などが想定されるため、絶対反対です。
 また、企業立地や促進のための補助金は、党議員団が反対し続けてきたシャープにたいし、最後の支出である2億円がもりこまれています。東芝への補助金は計上されていないようですが、これも払うことになっています。コンプライアンス違反の企業への補助金支出は納得いきません。
 このように、国におもねて大企業優遇や大型公共事業をすすめたことで三重県の財政は大変厳しくなっています。この姿勢は改めるべきだと思います。
 知事は今回、全国に先駆けて「子ども基金」をつくり、子どものためだと宣伝していますが、子ども達を貧困に陥らせないことこそ政治の責任ではないでしょうか。
 私は、財政難を姑息な手段で乗り切るのではなく、その根本政策を転換することが重要だと訴えます。
 だれもが困窮したとき、生活保護が受けられる社会に。大企業には応分の負担をしてもらい、地元の中小企業を元気にすることや、働く人々が生きがいと尊厳を持って働ける、格差社会からの転換は、今すぐ、三重県政が行うべきことだと考えます。 
 続いて、個別施策について、反対理由を申し上げます。
 子ども達をかしこく、たくましく育てたい。これは親御さんの願いであると同時に、三重県民が願っていることです。
 ところで、10年連続学力テスト上位の福井県では、昨年12月19日の県議会で「福井県の教育行政の根本的見直しを求める意見書」を採択しました。これは昨年3月に、担任の行き過ぎた叱責が原因で自殺した中学2年生の事件をきっかけに、学力「日本一」のプレッシャーが教員と子どものストレスの要因になっていることと解明し「これでは多様化する子どもたちの特性に合わせた教育は困難と言わざるを得ない」として、過度の学力偏重は避けることや教員の多忙化の解消への方策として福井県独自の学力テストの取り組みを学校裁量に任せることなども求めています。
 三重県では今年もまた学力テストや、三重スタディーチェックが行われます。日本共産党は、学力テストの点数で学力をおしはかることは間違いだと考えます。また、子どもに順番をつけて競わせることは、子どもや学校間に分断をもちこみ、学力テスト体制にしていくことで、子どもに真の学力をつけることにはなりません。子どもの発達、個性は違います。それより、教師が一人ひとりの子ども達に向き合った手がかけられるよう、三重少人数学級の推進を望みます。
 次に、新たな部落差別をうむことがないように、人権施策の第一に同和問題をかかげることをやめ、人権センターの同和センターとしての位置づけを見直すことを求めます。
 以前から1メートル1000万円も工事費がかかると言われた霞4号幹線の2車線化工事が完了しましたが、4車線化の計画は残っていることから、四日市港管理組合負担金に反対します。また、県政だよりは以前のような戸別に配達に戻すことを求めます。

 議案第10号県債管理特別会計予算は県債管理基金への積み立てを見送ったことや1兆4000億円もの債務残高があることから反対です。

 また議案第12号国民健康保険事業特別会計予算は、県広域・一元化にすべきでないと考えますので、当初予算には反対いたします。

 議案第22号水道事業会計、議案第23号工業用水道事業会計、議案第24号電気事業会計は、日本共産党議員団が指摘してきたように、国に従ってすすめた事業の見通しの甘さが後々まで三重県民を苦しめることになっています。 
 先の二つは水余りのなかで強行した大型公共事業・長良川河口堰建設などの失敗があること、またRDF発電は、市町に負担をおしつけ、ごみ減量に逆らってきたことから認めるわけにはいきません。いままで多額の税金をつぎこんできた大失政だという事を十分認識すべきだと思います。

 議案第38号と議案第57号は、ともに県職員と公立学校職員の退職金を減らすものであり反対します。

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