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24日山本里香議員の議案質疑 三重県水産業および漁村の振興に関する基本計画について聞く

議案140号の三重県水産業及び漁村の振興に関する基本計画について質疑します。

今年の3月に全国で4番目として「三重県水産業及び漁村の振興に関する条例」が制定されたことにより、基本計画策定規定し、おおむね5年ごとに見直し変更を加えることになりました。この計画により、うまし国、水産王国みえの復活とさらなる発展を目指します。。

現状分析では、水産漁業における、資源の減少・漁場環境の悪化・高齢化・施設の老朽化に加えて気候変動による海洋環境の変化など大変厳しい状況の中、これまでも施策を打ってきましたが、さらに進んで力を入れるということです。

基本方針の三本柱は

  • 水産資源の維持・増大と競争力のある養殖業の構築
  • 多様な担い手の確保・育成と経営力の強化
  • 災害に強く生産性の高い水産基盤の整備と活力ある漁村の構築 となっています。

漁民のみなさんにとって生業ですので、生計をきちんと立てることができ、将来につなげ生き生きと希望に満ち、活力に満ちたものであってほしい、そんな漁民のみなさんの働きの上で、消費者としてはおいしい地元の海産物を安心していただきたいと願います。

これまでもこの3本柱、これらのことに取り組んできたと思うのですが、

昭和の末時代には、漁獲産出額は1000億円規模、漁業従事者数は約2万人が、現在では漁獲産出額446億円、従事者6000人です。基本計画では十年間で産出額574億円

と10億円引き上げるという計画です。願うところですが、たいへん大きな数字のように思えます。

加えて、かつては109あった沿岸漁協が、現状14、さらに一本化を目指すとしています。県内に72の漁港を持ちコミュニティを抱える中、それぞれに水産業の手法においても特性もあり、これまで14に統合してきたことは必然性に迫られてのこともあったと思いますが、すべてを一元化することを進めるのは大変な無理がある。かえって漁民のみなさんの力をそぐことになるのではないか、それぞれの地元の声が届きにくくなるのではないかと心配しますがいかがでしょう。

実感が持てるように説明をお願いします。    【850文字 3分】

特に、競争力のある養殖業をもうかる水産業として、研究を進め、AIやICT技術も利用して発展させることで、産出額を上げていこうというものです。また、就業形態として、協業化や法人化を促進することで新規就業者を呼び込むことにもなりえるということでしょう。安定した経営形態というのは確かに魅力的です。

ここで私は、2018年に改正された漁業法との関連を考えないわけにはいきません。

この基本計画も、漁業法改正の影響をまさに受けています。

その改正の内容はいくつかありますが、大きなところで

  • 漁業権の優先順位を廃止    
  • 漁業調整委員会の公選制を廃止
  • 沿岸漁業者の同意なくてよいする漁獲割当制度IQに導く  など

日本共産党、立憲民主党、国民民主党、無所属の会はこの改正に反対しました。

区画漁業権と定置漁業権にはこれまで地元優先の優先順位があったものを、外部企業の参入が容易になるよう優先順位を廃止し「地元の水産業の発展に最も寄与すると認められる者」とされ、「認めるもの」は知事の主観になりました。

漁民の意見を反映する漁業調整委員の公選制を廃止し、資源管理に対する国と県の権限を強め、漁業権を売買できるようにしました。漁業における利益を地域に広く行き渡らせようという戦後漁業の民主化のために機能してきた制度を壊し、浜に対立と混乱を持ち込むと、沿岸漁業者の不安が広がっています。

 企業が良好な漁場を求めて参入すれば、沿岸漁業者が追い出される可能性があります。

水産業の競争力の強化と海面利用の方向性について、漁業産出額のほとんどを養殖業の成長で達成するとすれば、企画漁業権の切り替え時に、知事・県の判断で地元漁業者でなく外部の企業等に免許を出すようなことが起こりはしないかと心配しますがいかがでしょうか。

  【735文字 3分】

これまで、外部の企業が漁協に入らずに養殖を営む場合は原則地元漁協などが名乗りを上げないことが条件となっており、たとえその状況で権利を得て養殖に乗り出しても5年ごとの免許更新時に地元漁協が申請すれば権利を失いうとしていましたが、「地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者」に新たな漁業権を与える。免許更新の際は、漁場を「適切かつ有効に活用」しているかを基準とする。とされ、判断するのは都道府県知事となったのです。知事の判断の「基準が明確ではなく」鈴木知事を大いに信用したいのですが、「知事が恣意(しい)的に運用を行わない保証はない」のであります。

こういった決まりごとは、信用によってではなく法や、条例や、計画できちんとしておかなくてはなりません。すでに、先取りした宮城県の水産業復興特区では、知事や漁業者や漁協の反対を押し切って企業に漁業権を付与し、浜に混乱が起きた例も報告されています。

最後に、今、国連は、「家族農業の10年」として農林業だけでなく家族経営で営まれる漁業を振興発展させる政策を各国に求めています。沿岸・小型漁業重視は国際的な流れです。全体としてその観点での書き込みが少ないように思いますがいかがでしょう。

【513文字 2分】

漁業法改正当時、政府が主催した説明会に参加した沿岸地区の漁協は77組合だけです。955ある漁協のわずか1割にも達していなかったという事実。漁業権の優先順位の廃止については、水産庁へ現場から要望書や意見書が出されたわけでなく、水産の専門家が一人もいない規制改革推進委員会から発せられ官邸主導ですすめられたものです。全国の沿岸地区の漁協1000組合、漁業者14万人の声を聴いたものではない。 その、法改正にのっとった基本計画が、三重県の漁業者6108人の声を反映したものになっているか。委員会での身長審査を期待します。      【256文字

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