トピックス

12月20日、本会議最終日、山本里香県議は、知事や議員のボーナスアップなどに反対。各種学校の幼児教育、保育の無償化の請願、特に朝鮮学校幼稚部の問題が討論となり、採択されるように討論しました。

議案反対討論 2019年12月20日

今議会に提案されております議定議案を含む、49議案中第61号、第62号、第80号、題86号、第90号の6議案に、反対の立場で討論いたします。

議案第61号は、三重県流域下水道条例の全部改正です。これまで特別会計だったものを、地方公営企会計へ移行するためのものです。複式簿記化で、財務資産状況を把握しやすく「見える化」されるということです。基本利用料、県としては市町からの負担金による独立採算が原則です。

条例案第4条には「常に企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉の増進」とあり、経済性の発揮が第一とされ公共福祉はその後になっています。

これまで、水道事業や病院事業を企業会計化してきましたが、下水は自治体の裁量権に任されており、他が進めても三重県が導入してこなかったのにはそれなりの意味があったのだと考えます。

2014年閣議決定された、経済財政経済財政運営と改革の基本方針では、民間能力の活用等の観点からも「地方公共団体におけるPPP/PFIの推進を支援するため、固定資産台帳を含む地方公会計や公営企業会計の整備推進等を通じ、地域企業を含めた民間事業者によるPPP/PFI事業への参入を促進する」とし、2020年までに移行を求めています。つまり、公営企業化の目的は、下水道事業へのPFIの導入です。そして、特に政府が今推進しているのはコンセッションです。「効率やもうけを優先させて自治体の関与をそぎ、他方で“最終責任は自治体にある”」ということ自体に無理があります。

また、条例案の第2条で「都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与し,併せて公共用水域の水質の保全に資すためと」と目的を明記しています。企業の経済性の発揮は、この前提でなければなりません。

市町を巻き込んだ流域下水道事業は、利潤を生み出す事業ではなく、採算の取りにくいところでも事業をやらなければならない性格のものです。地方公営企業法の財務規定等が適用されれば、これまでの一般会計からの繰り入れが制限され、市町負担金の値上げとなり、利用者の料金値上げにつながります。

流域下水道事業が環境の向上を目的とし、採算が合わなくてもやらなければならない事業であれば、国や自治体の財政支援があって当然であり、単純に独立採算とはなりません。

見える化や緊張感を持った経営は重要ですが、企業会計化で収入と費用を容易に比較できるようになるため、黒字化のためには「使用料値上げか業務のアウトソーシングか」を迫るものになり、市民生活にとって重要な部門が、将来的に後退する懸念があります。            

第62号、住民基本台帳に基づく本人確認情報の利用及び提供に関する条例の一部改正は、マイナンバーの利用について整理するものです。

マイナンバー制度に、日本共産党は導入の時から反対をしてきました。

マイナンバーカードの目的”は

  • 国民の利便性を高め公平公正な社会を実現、
  • 行政の効率化も高めると  言うことでした。

普及が思うようにいかず、作った人には税金で「おまけ」までつけています。

国民的に、人生で数回も使わないだろう利便性の向上とはどのようなものか、行政の効率化はどのように図られたか、その費用対効果は疑問です。

反対します。

議案第80号補正予算は、第86号から89号の4本の条例改正案と連動したものです。

87号は知事等の給与を特例的に月額2割減じていることを、1年間延長するものです。また、88号89号は、県職員及び公立学校職員の勤勉手当を人事院勧告に鑑みて年間支給割合100分の5引き上げるものです。

87号から89号については、大いに賛成であります。しかし、第90号は、議案86号における、職員に準じて知事をはじめとする特別職を含む管理職の期末手当まで同様にあげてしまうことが盛り込まれている補正予算案です。

87号では、財政難であるから特別職を含む管理職の給与削減を続け歳出の削減に取り組むとしながら、一方で人事院勧告だからと期末手当の増額は矛盾しています。特別職の期末手当を引き上げるのは2年連続となります。

知事は年間で9万円、副知事は7万円、教育長らは5万円を引き上げることになります。

同様に議定議案第1号は、議員においても期末手当を増額するというものです。昨年、議会費削減に関するプロジェクトを実施し、政務活動費の精査、報酬月額の10%減、政務活動費の30%減を決め実施しています。また、定数にかかわる論議の中で経費論が語られることもありました。そして今、「選挙区及び定数に関する在り方調査会」が発動しています。0.05月分、計308万円だからいいではないかということにはなりません。

来年度導入、県・県議会で働く臨時職員を「会計年度任用職員」への移行において、期末手当などの適用など待遇改善が言われる中、県においても財源問題から、期末手当を生み出すための工作をめぐらし「期末手当を支給する代わりに時間調整や単価引き下げで月給を下げ、年収はほとんど変わらない」と苦境に追い込んでいる実態があります。

人事院勧告は、国家公務員に対するもので、準拠するのは「公務員」のみです。もちろん参考資料の1つにはなり得ますが、議員も含め「特別職」は県内情勢を元に判断すべきです。また、「特別職報酬等審議会」は2014年12月以降開催されておらず機能していません。県財政難と明言する中、県民が生活に苦しむ中、お手盛りの値上げは許されません。

よって、特別職・議員の期末手当値上げに関する、また含まれる、議案第80号、86号、90号、議定議案1号に反対します。

以上、議員のみなさんの賛同を求め反対討論を終わります。

請願反対討論 2019年12月20日

請願第9号 「各種学校への幼児教育・保育無償化制度の充実を求めることについて」の委員会審査報告不採択に反対の立場、採択すべしと討論いたします。

日本共産党は先の10月から始まった「幼保無償化」は財源を消費税にしているという根本問題があり賛成していません。しかし、四日市朝鮮初中級学校幼稚部などの各種学校が適用から除外されていることについて、制度設計上、こうした差別的扱いは国際的水準から見て明らかに許されないと考えています。

さまざま問題を指摘されながら導入を急ぐあまり、丁寧さを欠き、矛盾も多く、制度実施間際まで、また、制度実施されてからも、保護者や自治体を大きく混乱させている無償化です。

日本に生活し、無償化の財源となっている消費税増税の負担をしているわけですから、行政がよく言う「給付と負担のバランス」ということからしても、幼児教育を行っている中の1部を除外することに矛盾があります。

子育て世帯における高額な教育費・保育料の負担を減らすことで少子化に歯止めをかけようとこの制度が作られたことになっています。政府は「3~5歳の幼児教育・保育の原則無償化」をうたい、0~2歳においては所得制限を設けながら制度設計をする中、認可保育所だけでは需要を賄えない実態の中で「どんな家庭の子どもも、きちんと教育・保育が受けられるように、どこに通っているかで区別して差をつくってはいけない」と認可外保育所にまで適用をひろげました。

全国の朝鮮学校幼稚部は、知事により各種学校認可を受け、幼児教育・保育を、長い所で60年以上も続けています。基準が満たない認可外保育所までも対象としているのに、就学前の教育機関として認可されていて幼児教育の実績がある外国人幼児教育施設や、幼稚園類似施設を無償化の対象外としていることに合理性はありません。

また、子育てをする家庭の負担軽減をするということで、その事業所にお金が行くことになりますが、概念としては、少子化対策・家庭支援対策でありその保護者・子どもが支給の対象です。

だから「どこに通っているかで区別して差をつくってはいけない」としたわけです。

 国際人権規約や子どもの権利条約に基づき「子どもの教育についてはその国籍に関係なく、その子どもが実際に住んでいる国の政府が責任をもつ」ことになっています。

 拉致問題やミサイル発射は許せないことです。そのことを理由に適用除外を支持する意見があります。しかし、北朝鮮政府が拉致に関与しているからといって、そのことと、日本で生まれ、居住し、これから生活をしていく子どもたちが、それに組しているわけではありません。

 また、その教育内容についての論議もあります。いま、日本の大半の大学が朝鮮学校卒業者を高校卒業と同程度の学力があるとして受験を認めていることから、幼少期より日本の学習指導要領に沿って、日本の高校教育に準じた教育がなされていると言えるのではないでしょうか。母国も大事にしながら日本社会で生きていくための幼児教育の場です。子どもの権利条約は教育の目的として「児童の父母、児童の文化的同一性、言語及び価値観、児童の居住国及び出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文化に対する尊重を育成すること」を明記しています。

各種学校が除外だからとして外国人学校、朝鮮学校を排除しようとするのは口実で、差別を隠していると感じざるをえません。

 教育基本法2条における「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と 郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と 発展に寄与する態度を養うこと。」についても十分寄与していると考えます。

 以上述べて採択すべしと、不採択の委員長報告への反対討論とします。

▲ このページの先頭にもどる

© 2015 - 2024 三重県議会・日本共産党